Date

2026/03/28

Category

AI業務効率化

Title

介護施設のAI導入事例まとめ|記録・ケアプラン・見守り

介護施設のAI導入事例まとめ|記録・ケアプラン・見守り

介護施設へのAI導入事例を探している経営者・施設長の方へ。記録業務・ケアプラン作成・見守りシステムなど、介護現場でAIがどのように活用されているのか、実際の導入事例をもとに解説します。

私は株式会社Fyve代表として実際にデイサービス施設向けのAI記録システムを開発・導入し、月100時間の業務削減を実現した経験があります。その実体験と、業界全体の最新動向を交えてお伝えします。

介護業界のAI導入が加速している背景

厚生労働省の推計によると、2026年度には約240万人の介護職員が必要とされており、現状から約25万人の追加確保が求められています。慢性的な人手不足のなか、AI・ICTの活用による生産性向上は国を挙げた喫緊の課題です。

AI活用高齢者介護ソリューションの世界市場は、2025年の14億ドルから2030年には22億ドルへ成長すると予測されています(GII調査レポート)。年平均成長率は約9.7%であり、介護×AIの領域は世界的にも急拡大しています。

さらに厚生労働省は「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方に関する中間とりまとめ」において、ケアプランやサービス担当者会議の議事録作成に生成AIを活用することで業務効率化につながると明記しています(厚生労働省 介護テクノロジーの利用促進)。

【実体験】デイサービス施設のAI記録システム導入事例

ここからは、私が実際に開発・導入を手がけた事例をご紹介します。デイサービス施設(利用者150人・スタッフ50人)向けに、AI記録システムをゼロからカスタム開発しました。

導入前の課題:月100時間が書類に消えていた

導入前の現場は、こんな状態でした。

  • 手書きメモ → スプレッドシート転記 → 日報 → 月次報告書 → 家族への手紙と、2度手間3度手間の繰り返し
  • 生の情報は現場のメモなのに、それを何度も形を変えて書き直していた
  • 既存の介護ソフト(大手パッケージ製品)は痒いところに手が届かず、「ソフトに事業所を合わせないといけない」という大きなストレス
  • 月100時間以上が書類作成に費やされていた

開発したシステム:iPad+AIの二本立て

現場のニーズを丁寧にヒアリングし、2つのアプリケーションを開発しました。

iPad PWA(現場スタッフ用)

  • 10種類の専用入力フォーム(汎用記録・認知機能・食事・移動・入浴・レク・処置記録など)
  • オフライン対応・自動保存
  • 処置記録の承認ワークフロー(下書き → レビュー → 承認/差戻し)
  • タッチ最適化UI・ハプティックフィードバック

PC Office App(事務員用)

  • OCRで手書き記録をデジタル化
  • AIが月次報告書を自動生成(入浴・食事・口腔・排泄・移動・認知・日常の出来事・総括の8項目)
  • 日報・利用者ごとの書類をワンクリックでPDF出力
  • ケアマネージャーごとの五十音順一括印刷
  • AIチャット機能(利用者の状況を自然言語で問い合わせ可能)
AI記録システム導入のBefore/After比較図

導入の成果:月100時間削減、年間約180万円の人件費換算

導入前後の業務時間を施設長と一緒に比較したところ、以下の成果が確認できました。

  • 月100時間の業務削減(年間約180万円分の人件費換算)
  • 手書きの時間 vs iPad入力の時間、各種書類の作成時間がほぼゼロに
  • スタッフの反応は「すごく助かる」。途中から積極的に改善要望を出すように
  • 60代のITに詳しくない施設長でもすぐに使えた

特に印象的だったのは、施設長から「ケアマネごとに一括印刷したい」と要望があり、翌日には実装が完了したこと。カスタム開発だからこそできるスピード感です。最初の機能も2週間で稼働しており、パッケージソフトでは考えられない柔軟さでした。

関連記事: 介護記録の月次報告書、AIで自動作成したら月100時間削減できた話

業界全体のAI導入事例:記録・ケアプラン・見守り

私の事例以外にも、介護業界ではさまざまなAI活用が進んでいます。領域別に代表的な事例を整理しました。

記録業務のAI化

介護記録のAI化は、最も導入が進んでいる領域です。厚生労働省の調査では、66.2%の施設がICTによる記録システムを導入済みとされています。

  • 音声入力AI: ケア中にスマートフォンに話しかけるだけで記録が完了。記録時間を最大50%削減
  • OCR+AI文書生成: 手書きメモをスキャンしてデジタル化し、AIが月次報告書を自動作成(私の開発事例がこれに該当)
  • AI要約: 日々の記録データから利用者の状態変化を自動分析・要約

関連記事: 介護記録の音声入力AI 5選|現場の記録時間を半分にする方法

ケアプラン作成支援AI

ケアプラン作成は、ケアマネージャーの経験と判断に依存する業務でしたが、AIによる支援が広がっています。

  • CDI「SOIN」: 愛媛県で実証実験を実施。約4.5万件のケアプランデータをAIに学習させ、最適なケアプランを自動提案。9割のケアマネが「客観的視点を持てた」と回答(SOIN公式サイト
  • NDソフトウェア「AIケアプラン」: 過去の膨大なケアデータをもとに、利用者の状態に応じたプランを提案
  • ChatGPT等の生成AI活用: ケアプラン2表の文例作成や、サービス担当者会議の議事録原案作成に活用する現場も増加

関連記事: 介護現場でChatGPTを活用する方法|ケアプラン・報告書のプロンプト集

見守り・安全管理AI

夜間の見守り業務は、スタッフの負担が特に大きい領域です。AIセンサーやカメラの導入で、大幅な効率化が報告されています。

  • AIシルエット見守りシステム: 深度カメラとAI姿勢推定技術を活用。事故件数25%削減、夜間巡視時間を91%削減という報告も
  • AI睡眠解析: マットレスセンサーで睡眠の質を分析し、体調変化を早期に検知
  • 転倒予測AI: 歩行パターンの変化をAIが検知し、転倒リスクが高まった利用者を事前にアラート

介護AI導入で失敗しないための3つのポイント

4つの現場でAI導入に関わってきた経験から、成功と失敗を分ける重要なポイントをお伝えします。

1. 「全部をいっぺんに」ではなく、1つの業務から始める

AI導入で最も多い失敗は、一度にあれもこれもやろうとすること。私が手がけたデイサービス施設でも、最初はOCR+iPad入力という1つの機能だけを2週間で稼働させました。小さく始めて、現場の声を聞きながら機能を追加していくのが成功のパターンです。

2. 「ソフトに合わせる」のではなく「業務に合わせる」

施設長が語ってくれた「ソフトに事業所を合わせるストレスから解放された」という言葉が象徴的です。大手パッケージソフトは機能が豊富ですが、自施設の業務フローと合わない部分が必ず出てきます。カスタム開発なら業務に合わせたシステムを作れるため、現場の定着率が高くなります。

関連記事: 介護記録ソフト比較|大手パッケージ vs カスタム開発の本音

3. ITに詳しくないスタッフでも使えるUIにする

どんなに高機能なシステムでも、現場で使われなければ意味がありません。60代の施設長がすぐに使えたのは、タッチ最適化・大きなボタン・自動保存といったUI設計を徹底したから。導入後の研修やサポート体制も重要です。

関連記事: 60代の施設長がiPadで介護記録を始めたら、現場が変わった話

補助金を活用してAI導入コストを抑える

介護分野のAI・ICT導入には、国の手厚い補助金制度があります。

  • 介護テクノロジー導入支援事業: 補助率3/4(条件により1/2)、上限1,000万円。各都道府県が窓口(厚生労働省公式
  • IT導入補助金: 介護ソフトやクラウドサービスの導入に活用可能

補助率75〜80%という大規模な支援が実施されている年度もあり、自己負担を大幅に抑えて導入できるチャンスです。

関連記事: 介護AIシステム、実際にいくらかかった?開発費用と補助金申請のリアル

まとめ:介護AIは「現場を楽にする」ための道具

介護施設へのAI導入は、記録業務・ケアプラン作成・見守りの3領域で急速に進んでいます。しかし大切なのは、AIはあくまで「現場を楽にする」ための道具だということ。

私がデイサービス施設で見たのは、書類作成から解放されたスタッフが利用者と向き合う時間を取り戻した姿でした。AIが月次報告書を自動で作ってくれるおかげで、その時間をケアの質の向上に使える。これが介護AI導入の本質的な価値です。

「うちの施設でも何かできないか」とお考えの方は、まずは一番時間がかかっている業務を洗い出すところから始めてみてください。小さなところからでも、確実に現場は変わります。

介護施設のAI導入についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。実際に介護現場でAIシステムを開発・導入した経験をもとに、貴施設に合った最適な方法をご提案します。

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