Claude Codeの5時間制限に到達した話|長時間稼働の実践対策
株式会社Fyve代表の田嶋です。AIエージェントの長時間自律稼働(Long Running Autonomous Agentic Workflows)が注目を集めていますが、Claude Codeの使い方を実践する中で、私は先日あっけなく5時間の使用制限に到達しました。「そんなにすぐ到達するの?」と思われるかもしれませんが、やり方次第では本当に一瞬です。今回は、その失敗エピソードと、そこから導き出した実践的な対策をまとめます。
5時間制限に「一瞬で」到達した日
ある日、私は1つのセッション内でLP改修と、SEO記事14本のリライトを並列で処理しようとしました。「どうせ同じ作業の繰り返しだし、まとめてやってしまおう」という判断でした。
結果は、制限に到達するまで思っていたよりはるかに短い時間でした。
なぜ一瞬で到達したのか、後から整理するとシンプルです。大量テキストの読み込み × リライト出力 × 並列実行という三重苦が重なっていたからです。
- LP改修では既存コードを丸ごと読み込む必要がある
- SEO記事14本はそれぞれ2,000〜4,000文字。全部読ませると膘大な量になる
- それを並列で走らせると、トークン消費が同時多発的に発生する
「AIに任せれば速い」という認識は正しいのですが、「任せた分だけリソースを消費している」という認識が甘かったのです。
トークン消費の仕組みを理解する
Claude Codeのトークン制限を意識するようになって気づいたのは、「どれだけのコンテキストをAIに読ませているか」がすべてだということです。
単純化すると、消費速度はこう表せます。
読み込み量 × 出力量 × 並列数 = トークン消費速度
どれか一つが大きくなるだけでも消費は増えますが、三つが掛け合わさると加速度的に増えます。LPのコードは数百〜数千行、記事は数千文字、それを14本 × 並列処理となれば、あっという間に限界が来ます。
逆に言えば、この掛け算のどこかを小さくすれば、同じ作業量でもトークン消費を抑えられます。それが次の対策につながります。

実践している3つの対策
対策①: セッション分離 — コンテキストが大きくなったら新しいセッションへ
一つのセッションにタスクを詰め込みすぎないことが基本です。コンテキスト量が大きくなりそうなタスクは、別セッションに切り出します。
判断の目安は「このタスク、どのくらいのファイルや文章を読ませるか?」です。読み込む量が多いと感じたら、そのタスクだけで1セッション使う覚悟で臨みます。複数の大きなタスクを1セッションで並走させるのは避けます。
これだけでも、制限への到達速度はかなり緩和されます。
対策②: Codexへのタスク委譲 — 単純作業は別のAIに
セッション分離だけでは対応しきれないケースもあります。そのときはOpenAI Codexにタスクを委譲します。
私の使い分け基準はシンプルです。
- Claude Code: 複雑なロジック・大規模実装・判断が必要なメイン業務
- Codex: 単純作業・リファクタリング・繰り返し処理・トークン節約が必要な場面
記事のリライトのような「ルールが明確で繰り返し可能な作業」はCodexに向いています。Claude Codeのリソースを、判断や創造が必要なタスクに集中させるイメージです。
対策③: Geminiへの画像生成委譲
画像生成はGeminiに任せています。Claude Codeで画像生成まで行うと、それだけでトークンと処理時間を消費します。Geminiはその点で効率よく、品質も十分です。
各AIツールに得意領域があります。すべてをClaude Codeで完結させようとせず、「この処理はどのAIが一番効率よく処理できるか」という視点でタスクを振り分けることが、長時間稼働を続ける上での基本姿勢になっています。
並列実行は「慎重に」が正解
Claude Codeは並列実行が得意で、複数のタスクを同時に走らせることができます。しかし、この機能は使い方を誤ると一気にトークンを消費します。
並列が有効なケース
- コンテキスト量がわかっていて、かつ小さい
- 単純作業の繰り返しで、各タスクが独立している
- 出力の品質よりも速度を優先したい場面
並列が危険なケース
- 各タスクが大量のファイルやテキストを読み込む
- 出力量が多い(長文生成・大きなコード生成)
- コンテキスト量の見積もりが甘い状態で走らせる
判断基準は一つです。「このタスクで、AIにどれだけのコンテキストを読ませるか、事前に把握できているか?」。把握できているなら並列でも大丈夫。把握できていないまま走らせると、あっという間に制限に到達します。
Max 5xプラン($100/月)でどう運用しているか
現在、私はClaude CodeのMax 5xプラン(月額$100)で運用しています。通常の5倍のトークン上限が与えられていますが、それでも意識せずに使えば到達します。
運用の全体像は、こういう役割分担です。
- Claude Code(Max 5x): 複雑な実装・コードレビュー・設計・長文コンテンツの企画・構成
- Codex: 繰り返し処理・リファクタリング・単純な文章調整・調査タスク
- Gemini: 画像生成・画像ベースの作業
この分散によって、Claude Codeのリソースを「Claude Codeにしかできないこと」に集中できています。$100/月という投資に対して、十分なパフォーマンスが出せていると感じています。
大切なのは、「全部を一つのAIに任せる」という発想を捨てることです。AIネイティブなワークフローとは、AIを中心に置きながら、複数のツールの特性に合わせてタスクを設計し直すことだと考えています。人間がAI中心のフローに適応していく、という感覚に近いです。
まとめ — 制限と付き合うのもスキルのうち
Claude Codeの5時間制限は、使い慣れていない人には唐突に感じるかもしれません。しかし、仕組みを理解すれば制限に対処するのは難しくありません。
今回の話を一言でまとめると、「AIにどれだけのコンテキストを読ませているかを常に意識する」ことが核心です。これを意識するだけで、無駄なトークン消費はかなり減ります。
AIエージェントが長時間自律稼働できる時代になったからこそ、使う側にも「どう使うか」の設計力が求められます。制限にぶつかってはじめてわかることもたくさんあります。ぶつかって、対策して、また前に進む。それの繰り返しが、AIとうまく付き合うための一番の近道だと思っています。
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「AIツールを導入したが、現場で使われない」を終わらせる。
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