Date
2026/03/29
Category
AI業務効率化
Title
Excel脱却の進め方|中小企業がAIに移行した実践事例
「Excelで管理しているけど、もう限界かもしれない」——Excel脱却を考えている中小企業の経営者・管理者に向けて、紙→Excel→AIへの移行を実際に支援した経験をもとに、具体的な進め方をお伝えします。
私はこれまで介護施設や建設現場など、Excelに依存した業務をAIシステムに置き換えるプロジェクトを複数手がけてきました。この記事では、現場で起きたリアルな課題と、それをどう解決したかを包み隠さずお伝えします。
中小企業基盤整備機構の「中小企業のDX推進に関する調査(2024年)」によると、DXの具体的な取り組みで最も多いのは「文書の電子化・ペーパーレス化」(57.6%)。裏を返せば、まだ4割以上の企業がデジタル化の初歩段階にあるということです。
Excel自体は優れたツールですが、業務の基幹システムとして使い続けると、以下のような問題が積み重なります。
これらの問題は、企業規模が小さいほど深刻です。少人数で回している現場では、1人が抜けただけで業務が止まるリスクがあるからです。
ある介護施設(利用者150人・スタッフ50人規模)では、記録業務が以下のような流れで行われていました。
同じ情報を5回も書き写す「多重転記」です。生の情報は現場のメモなのに、それを何度もこねくり回していました。月100時間以上が書類作成だけに消えていたのです。
この施設で導入したのは、iPadの専用入力フォーム→データベース→AI自動生成という仕組みです。
結果として月100時間の業務削減を実現。年間約180万円分の人件費に相当する効果でした。
重要なポイントは、Excelを「もっと良いExcel」に置き換えたのではないということ。入力→蓄積→出力の流れそのものを再設計し、「転記」という工程を根本からなくしました。
建設現場では、日報をExcelで管理しているケースが非常に多いです。現場監督が事務所に戻ってからExcelに入力し、それを印刷して提出——この「事務所に戻ってからの2時間」が大きな負担になっていました。
2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、事務作業の時間をいかに圧縮するかは業界全体の課題です。
このケースでは、現場で写真と音声メモを記録するだけで日報が自動生成される仕組みを構築しました。Excelのテンプレートに合わせて人間が入力するのではなく、AIがデータからフォーマットに合った文書を生成する方向に転換したのです。
最も多い失敗パターンです。Excelで管理している業務を全て同時にシステム化しようとすると、現場が混乱します。
介護施設のケースでは、最初の機能(iPad入力→DB保存)をわずか2週間で稼働させ、そこから段階的に機能を追加していきました。小さく始めて、使いながら改善するのが鉄則です。
既製品のソフトウェアを導入して、「ソフトに合わせて事業所のやり方を変える」というパターンも失敗しやすいです。
介護施設の施設長が語っていたのは、既存ソフトでは「痒いところに手が届かない」というストレスでした。業務の流れは施設ごとに違うのに、ソフトの仕様に合わせて現場を変えなければならない——これが大きな負担になっていたのです。
カスタム開発であれば、現場の業務フローに合わせてシステムを設計できます。「ケアマネージャーごとに五十音順で一括印刷したい」という要望を翌日に実装できたのも、カスタム開発だからこそです。
これは思い込みです。前述の介護施設の施設長は60代前半で、ExcelやWordを多少使う程度のITスキルでした。しかし、タッチ操作に最適化したUIを設計したことで、導入初日からスムーズに使えていました。
必要なのは「ITに詳しい人」ではなく、「使う人に合わせたUI設計」です。

まずは、同じデータを何回書き写しているかを数えてみてください。転記の回数が多い業務ほど、AI化の効果が大きくなります。
「Excelの代わりになるツール」を探すのではなく、データの流れそのものを見直すのがポイントです。入力は現場に合った方法(タブレット・音声・写真など)で、蓄積はデータベースに一元化し、出力はAIが自動生成する——この流れが理想形です。
最初から完璧なシステムを目指さず、最も効果の大きい1つの業務だけをAI化します。使っていく中で「やっぱりこうしたい」「ここも変えたい」が出てくるのは自然なことです。それに柔軟に対応できる体制を組むことが重要です。
2025年版中小企業白書によると、デジタル化の取り組みが「段階1(アナログ)」の企業は12.5%まで減少しています。多くの企業がデジタル化に動き出している一方で、Excel等の表計算ソフトでの管理から次のステップに進めていない企業はまだ多いのが現状です。
また、東京商工会議所の調査(2025年)では、デジタルシフトの最大の課題として「コスト負担」が挙げられています。IT導入補助金などの公的支援を活用すれば、実質負担を大幅に抑えることが可能です。
Excel脱却と聞くと大がかりな話に感じるかもしれませんが、実際にやることは「最も手間のかかる1つの工程をAIに任せる」だけです。
紙→Excel→AIという流れは、一足飛びに進む必要はありません。自社の業務で最も「もったいない」と感じている時間がどこにあるか。まずはそこを見つけることが、Excel脱却の第一歩です。
「うちの業務でもExcelを脱却できるか知りたい」という方は、以下の無料診断からお気軽にご相談ください。
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