Date

2026/03/24

Category

AI業務効率化

Title

「ソフトに事業所を合わせる」のが限界だった。介護施設が完全カスタム開発を選んだ理由

「ソフトに事業所を合わせる」のが限界だった。介護施設が完全カスタム開発を選んだ理由

「介護ソフトが使いにくい」「カスタムできないか」——そう感じたことはありませんか?

多くの介護施設では、市販の介護ソフトを導入しています。しかし、現場の業務に完全にフィットするソフトはなかなか見つかりません。結果として、ソフトに合わせて自分たちの業務を変えなければならないという本末転倒な状態が起きています。

この記事では、利用者150人規模・スタッフ50人のデイサービス施設が、既存の介護ソフトに限界を感じ、完全カスタム開発という選択肢にたどり着いた実話をお伝えします。導入の結果、月100時間の業務削減を実現した具体的なプロセスを、施設長の声とともにご紹介します。

「ソフトに合わせて事業所を変える」というストレス

この施設の施設長は60代前半。ExcelやWordを多少使う程度で、ITに特別詳しいわけではありません。

施設では以前、「ほのぼのNEXT」(NDソフトウェア、介護ソフトシェア率1位)や「スグログタブレット」といった既存の介護ソフトを導入した経験がありました。しかし、どのソフトも痒いところに手が届かないという不満が付きまといました。

「どのソフトを使っても、結局うちのやり方には合わないんです。ソフトに合わせて自分の介護事業所を変えていかないといけない。それが一番のストレスでした。」(施設長)

たとえば、利用者ごとに記録する項目やフォーマットが施設独自のものだったり、特定の帳票を独自のレイアウトで出力したかったり。そうした「うちだけの要望」は、汎用ソフトではどうしても対応しきれませんでした。

日々の業務では、こんな非効率が当たり前になっていました。

  • 現場スタッフが手書きでメモを取る
  • それを事務所でスプレッドシートに転記
  • 転記したデータをもとに日報を作成
  • 日報をまとめて月次報告書を作成
  • 家族への手紙を書くために、また元のデータを引っ張り出す

2度手間、3度手間は日常茶飯事。スタッフの残業は増え、本来のケアに割くべき時間が記録業務に奪われていました。

なぜ既存の介護ソフトでは痒いところに手が届かないのか

既存の介護ソフトの多くは、幅広い施設に対応するために設計された汎用型です。これは一見メリットに思えますが、構造的な限界があります。

汎用ソフトの構造的な問題:

  • 最大公約数の機能しかない — 多くの施設で共通して使われる機能は充実していますが、「うちの施設だけで必要な機能」には対応できません。
  • カスタマイズの範囲が限定的 — 設定画面で項目名を変えられる程度で、業務フロー自体を変えることは不可能です。
  • アップデートの優先順位が合わない — 何千もの施設が使うソフトでは、1つの施設の要望が反映されるまで何年もかかることがあります。
  • データの連携が難しい — 他のシステムやツールとのデータ連携が制限されていることが多く、結局手作業で転記する必要が生じます。

「機能が足りないわけではないんです。あるんだけど、うちの業務の順番とか、出力したいフォーマットが微妙にずれる。それが毎日のことだから、積み重なるとものすごいストレスになるんです。」(施設長)

この「微妙なずれ」こそが、汎用ソフトの本質的な限界です。そして、この限界を根本的に解消する方法が、完全カスタム開発でした。

大手ソフト vs カスタム開発の比較図

完全カスタム開発という選択肢

転機は、知人の紹介でした。

施設長が知人から「業務システムを一から作ってくれる会社がある」と紹介されたのが、株式会社Fyveです。

最初の相談では、施設長はこう話されました。

「正直、カスタム開発なんて大企業がやることだと思っていました。うちみたいな規模の施設でもできるのかと半信半疑でした。」(施設長)

参考までに、大手介護ソフトの費用感を整理します。ほのぼのNEXT(業界シェア1位)は5年間のライセンス制で、導入時に操作説明費・設置費が別途かかりますが、具体的な金額は非公開(要見積もり)です。カイポケ(エス・エム・エス)は初期費用0円・月額25,000円〜(デイサービスの場合)と導入しやすい価格帯で、全国50,000件以上の導入実績があります。いずれも実績と安心感がある一方で、個別のカスタマイズやAI機能には制約があります。

Fyveでは、施設長と何度もヒアリングを重ね、現場の業務フローを丸ごと把握するところから始めました。どの業務にどれだけ時間がかかっているか。どの作業が重複しているか。スタッフがどこでストレスを感じているか。

その結果、「大きなシステムを一気に導入する」のではなく、最も負担の大きい業務から順に、小さく始めて段階的に広げていくというアプローチを提案しました。

施設長もこの進め方に納得し、完全カスタム開発をスタートすることになりました。

2週間で最初の機能が動いた

最初に取り組んだのは、手書きメモのデジタル化です。

具体的には、以下の仕組みを構築しました。

  1. 現場スタッフが手書きで書いたメモをiPadのカメラで撮影
  2. OCR(画像文字認識)で自動的にテキスト化
  3. テキスト化されたデータに補足情報をiPadで直接入力
  4. すべてのデータがデータベースに自動保存

この最初の機能は、わずか2週間で稼働しました。

「2週間で動くものが出てきたのには驚きました。しかもちゃんと使えるんです。大手のソフトを導入したときは、契約から稼働まで3ヶ月かかったのに。」(施設長)

Fyveのカスタム開発では、アジャイル型の開発手法を採用しています。完璧なものを一度に作るのではなく、まず動くものを素早くリリースし、現場の反応を見ながら改善を繰り返します。

この最初の機能が動いたことで、施設長もスタッフも「カスタム開発でいける」という確信を持ちました。そこから、現場のニーズに合わせて柔軟に機能を追加していきました。

「ケアマネごとに一括印刷したい」を翌日実装

カスタム開発の真価が発揮されたエピソードがあります。

ある日、施設長からこんな要望がありました。

「ケアマネージャーごとに、担当利用者の報告書を五十音順で並べて一括印刷したいんです。今は1人ずつPDFを開いて印刷しているので、すごく手間なんです。」(施設長)

汎用ソフトなら「仕様上できません」「次回アップデートで検討します」と言われて終わりの要望です。

しかしFyveでは、この要望を受けてから1〜2日で実装しました。ケアマネージャーを選択するだけで、担当利用者の報告書が五十音順に自動で並び替えられ、ワンクリックで一括印刷できる機能です。

「まさかこんなに早くできるとは思いませんでした。これだけでも月に何時間も節約できています。こういう細かい要望に応えてもらえるのが、カスタム開発の一番の魅力ですね。」(施設長)

このようなスピード感のある対応は、施設専用に開発されたシステムだからこそ可能です。汎用ソフトでは、一つの施設の要望のためにシステム全体を変更することはできません。しかしカスタム開発なら、現場の声をそのまま機能に変えることができます。

導入の成果:月100時間の業務削減

カスタムシステムの導入後、施設長と一緒に導入前後の業務時間を比較しました。その結果、明らかになった削減効果は以下の通りです。

【Before:導入前の業務時間(月間)】

  • 手書きメモの転記作業:約40時間
  • 日報・月報の作成:約25時間
  • 家族への報告書作成:約15時間
  • 帳票の検索・整理:約10時間
  • データの重複入力:約15時間
  • 合計:約105時間/月

【After:導入後の業務時間(月間)】

  • iPadでの記録入力:約5時間(転記不要のため大幅削減)
  • 日報・月報の自動生成確認:約3時間
  • 家族への報告書出力:約2時間
  • データ検索:ほぼゼロ(検索機能で瞬時に取得)
  • 重複入力:ゼロ(一度入力したデータを自動で各帳票に反映)
  • 合計:約10時間/月

つまり、月間約100時間の業務削減を達成しました。これはスタッフ約2.5人分の労働時間に相当します。

「100時間というのは、実際に導入前と導入後でどのくらい時間がかかっているかを比べて出した数字です。最初は信じられませんでしたが、確かにスタッフの残業がほとんどなくなりました。」(施設長)

削減された時間は、利用者とのコミュニケーションやレクリエーションの充実に充てられています。記録業務の効率化は、ケアの質の向上に直結するのです。

まとめ:あなたの事業所に合ったシステムを作るという選択

「ソフトに事業所を合わせる」時代は終わりつつあります。

既存の介護ソフトが悪いわけではありません。しかし、あなたの施設の業務フローにぴったり合うシステムは、あなたの施設のために作られたものだけです。

完全カスタム開発と聞くと、「費用が高そう」「大規模な導入が必要そう」と思われるかもしれません。しかし今回ご紹介した事例のように、小さな機能から2週間でスタートし、段階的に拡張していくことが可能です。

もし、今お使いの介護ソフトに「使いにくい」「痒いところに手が届かない」と感じているなら、一度カスタム開発という選択肢を検討してみてください。

介護DX、何から始めるべきか——現場で見えた優先順位

「DXを始めたい。でも何から手をつければいいかわからない」——この施設長も最初はそう言っていました。

私たちが4つの現場で共通して見てきた優先順位は明確です。

まず記録業務をデジタル化する

いきなり大きなシステムを入れる必要はありません。まずは手書きメモの転記をなくすこと。この施設でも最初の2週間で「手書きメモのOCR読取+iPad入力→データベース保存」だけを作りました。これだけで日々の転記作業がゼロになりました。

次にAIで報告書を自動化する

記録がデジタルで溜まり始めると、AIが活用できるようになります。この施設では、溜まった1ヶ月分の記録データからAIが月次報告書を自動生成する機能を追加しました。30人分の報告書作成にかかっていた30〜40時間がほぼゼロになりました。

小さく始めて、使いながら育てる

DXの失敗パターンは「最初から完璧なシステムを作ろうとすること」です。要件定義に何ヶ月もかけている間に現場の状況が変わります。2週間で動くものを作り、使いながら育てる。これが中小規模の施設にとって最も確実なDXの進め方です。

株式会社Fyveでは、介護施設の業務効率化に特化したカスタムシステム開発を行っています。まずはお気軽にご相談ください。

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